強化笛とは?

ホーム強化笛とは?

真空樹脂含浸法

冬の乾燥した時期、いつの間にか篠笛が割れていたという経験はありませんか?
夏の炎天下、うっかり車に置き忘れ、篠笛がパッカリなんてことはありませんか?
お風呂に入りながら、篠笛を吹いてみたいと思ったことはありませんか?
楽器屋さんでは、篠笛を置いて貰えないことが多いそうです。
それは、しっかり管理しないと割れてしまうから・・・。

そんな悩みを解決するために、薫風で製作販売している篠笛は、全て真空樹脂含浸法という工程を経て強化処理を施しています。

これは、素竹の状態の笛を熱硬化型のエポキシ樹脂の満たされた筒の中に入れ、その筒ごとチャンバーに並べて真空状態にし、強制的に樹脂を浸透させる手法です。
真空度4ミクロンという強力な真空ポンプで空気が抜かれた樹脂槽は、激しく泡立ち、竹の中に残った空気を全て放出させ、その間隙にエポキシ樹脂を浸み込ませます。
その状態で一昼夜放置し、樹脂槽から取り出した竹を温めて樹脂を硬化させることで強化処理が行われます。

水分の含有量や密度、残っている応力の関係で、100%割れない笛を保証するものではありませんが(過去に長野県で2件ほどひび割れの報告がありました)、雪山に持ち込んだり、車の中に1年間放置したり、同様に風呂場に置きっぱなしにしたりなどのテストを行った結果、非常に良好な結果が得られています。


この写真は、雪山でのテストの様子です。
ザックの横に剝き出しで刺した状態で2日間、全く問題無く吹くことが出来ました。
暑さ寒さだけでなく、このように持ち運び、直ぐに演奏出来ることも、強化笛の強みです。

いわゆる煤竹は、長い時間をかけて浸み込んだ煙の成分が樹脂化して醸成されるものですが、強化笛はそれに近い状態になっているように思われます。


また、この手法を使うことで、立ち枯れ竹や、スポンジのようにグズグズになってしまった枯れ竹でも笛にすることが可能です。
このような笛は、非常に独特な風合いを持つ唯一無二の姿になり、新しい竹よりも丈夫になることも確認しています。



写真の色が濃い模様が入ったものが、立ち枯れ竹や枯れ竹を笛にしたものです。
枯れの進行具合によって、その風合いが大きく変わることがご確認いただけることでしょう。

また、真空樹脂含浸を行った笛は、管内の塗りも実質不要になるため、完全な素竹の姿の笛を作ることも出来ます。
このような笛は、飼い慣らされていない生の竹の音をご希望のお客様に好評をいただいています。
真空チャンバー
樹脂槽から取り出された笛
樹脂槽の筒 この1本1本に笛が収まっています
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