薫風は、横笛のカテゴリーに含まれる和楽器の一つである篠笛を作って販売している工房です。
篠笛は、江戸時代に庶民の間で自然発生的に生まれたものと思われますが、定かなことは判っていないようです。
きっと、神楽や雅楽、能楽に出会う機会があった村の若い衆が、そこで演奏されている高麗笛や龍笛、能管を見て、
「あげなものならオラでも作れそうだなぁ。そうだ、あの笛を作って村の祭りでも吹いてみるべ。」
なんて言いながら作ったものだったのではないでしょうか?
ですから、その頃の篠笛は、現在のような音階の決まりも無く、土地土地、村々で独自の音階・音律を持っていたまさに自由な楽器だったのではないかと思います。
今でも、その流れのまま独自の音を守っている篠笛は全国にたくさんあるはずです。
良く知られたものでは、津軽笛などがそれにあたるでしょうか。
それが、日本という国が一つにまとまり、情報が均一化される過程で、現在のように定型化され、和楽器として格式高い?ものに変容してしまったのは、本当に極最近(戦後)のことだと思われます。
篠笛工房 薫風は、そんな格式に縛られない、自由な篠笛を提唱し、誰にでも楽しんでいただけるお手軽で丈夫で吹きやすく、鳴りや音質に妥協しない安価な篠笛を、皆さまにお届けすることを目標にしています。
そのためには、新しい素材や技法を取り入れることを厭わず、様々な工夫を惜しみなく投入しています。
篠笛が、庶民の手から自由に生まれた楽器であれば、そこに邪道などと言う指摘はそぐわないと思っていますし、誰でもがそれ程思い切らずに買える価格であることも必須でしょう。
格式高い?高価な伝統工芸品をお求めの方は、是非ともたくさんいらっしゃる名笛師の皆様の篠笛をお求め下さい。
篠笛を作っていると、作る管毎にそれぞれ個性があることに気がつきます。
世の笛師さん達は、可能な限り似通った材料を選別し、長年の手業で同じように削って仕上げようとすると思いますが、薫風ではそうではないので・・・(笑)。
確かに、いつも同じ品質でユーザーに届けることは、職人として大切だとは思いますし、手工業とは言え、工数製品である限りは正しいことだと思います。
でも、それが第一義であれば極論、金型で作るプラスチック管で良い訳で、篠笛の本当の面白さは、管毎に個性があって、作る側も吹く側も、限り無く探求が続くことだと思うのです。
薫風の篠笛は、基本的にはオーダーメイドですが、通常1管の注文に対して2~3管を作成し、その中から相性の良いものを選んでいただくことが多いため、在庫もそれなりにあります。
工房を訪れていただければ、そのような売れ残り?の笛を試して、格安でお買い求めいただくことも出来ます。
また、薫風の工房では、お客様ご自身で篠笛を作ることも可能です。
竹の選定から孔開け、塗りや藤巻き、更にオリジナルの焼き印風の銘を入れることも含め、どうしてそうするのかを丁寧に説明しながらご指導致します。
そちらも合わせ、是非ご相談頂きたいと思っています。
さあ、人生の折々に、サッと篠笛を取り出して奏でる、そんな音楽生活をはじめませんか?
人は、いつどのような運命に見舞われるか判りません。
始めるなら今です。
あなたの新たな伴侶に、是非とも薫風で篠笛を。